ナルシマリョウ

軍鶏というたなか亜希夫の漫画があって、自分は菅原と戦っているところから読み始めて、そこからファンになって、今日またなんとなく最終巻を読みなおしている。

ナルシマリョウはラストのほうで、絶対に救われない側の人間だって、今までの登場人物から言われるシーンがあるのだけれど、あれはナルシマリョウ本人がそう思ってたんだろうか。

でも、だとしたら、どうやってナルシマリョウは生きていけばよかったんだろう。刑務所の中で空手を身につけることは絶対に必要だっただろう(そうしなければ、リンチで死んでいた)し。社会に出てから裏社会と繋がらなければよかったのだろうか。あ、裏社会と繋がらないと、ナツミを見つけられないからだめだ。自分から裏社会と繋がりたくてつながったんではなくて、ナツミを探すために、裏社会に入っていったんだった。

じゃあ、裏社会から抜けるタイミングがいくつかあったのにもかかわらず、それを全て拒否したのが悪かったのだろうか。燕と一緒になって、斉天大聖と戦わずに逃げていればよかったんだろうか。トーマに僅差で負けるんじゃなくて、圧倒的に負けて、どんなに強いやつでも、更に強いやつが出てきて、必ずいつか負けることになると、悟ればよかったのだろうか。

訓練を続けている割に、ナルシマリョウの内面が変わっていかないのは違和感を感じる。強くなっていく過程で、射幸心とか、見栄とか、内なる奔馬だとかいうそういった余計なものは削れていくものなのに、人格が洗練されていかないのが、なんだかフィクションだなと思う。

最後に、ナルシマリョウはバカ兄弟にあって、最終巻を迎えるわけだけれど、俺としては、あのままサキコと一緒になって、幸せに暮らしていくパターンが見たかったなあと思う。

どっちかって言うと、あれだけの訓練を積んできたのだから、幸せに暮らしていくパターンのほうが現実的じゃないかな。内面が成長しないと、訓練は続けていられないわけだし。

幸せになっていく軍鶏が見たかったなあ。

 

軍鶏(34)<完> (イブニングKC)

軍鶏(34)<完> (イブニングKC)